サイクルスタンプラリー

一般的なスタンプラリーは電車や道の駅、商店街等の利用促進を目的として無料で開催されていますが、自転車で移動しながらスタンプラリーを行うサイクルスタンプラリーの場合は少し事情が異なります。
まずサイクルスタンプラリーでも多くのラリーは無料で開催されていますが、一部には有料開催されるラリーがあります。
この無料と有料の違いは開催期間の違いによる部分が大きく、数週間~数ヶ月の期間に渡って開催される主に無料の期間限定ラリーと、1~2日間だけ開催される主に有料のワンデイラリーとに分かれます。

サイクルイベントは無料・有料による違いではなく、開催期間の違いにより開催で得られる効果が異なるため、そのあたりを理解して適切に活用する必要があります。
※一般にワンデイラリーでは参加人数が想定以上に多くならないよう事前申し込み制(有料)がとられています

 

どちらのサイクルスタンプラリーも地域のサイクリングコース利用促進を目的にしていますが、期間限定ラリーでは走るコースの提案とサイクリングの機会提供を行っているのに対して、ワンデイラリーは機会提供に加えて、定番サイクリングコースを走っているような雰囲気を体験してもらえる隠れた効果があります。

実はこの「雰囲気の体験」こそが、提案するサイクリングコースがキャズム(溝)を越えて定番のサイクリングコースへとステップアップすることを助けてくれます。

 

サイクリングマップやHPを作成したり、サイクリングイベントを開催しても、来てほしい域外のサイクリストがイベント開催日以外にわざわざ走りに来ることはほとんどありません。たとえ参加したイベントが楽しくても、それは大人数で走ることによるアドレナリンの分泌と適切に設けられたコース案内やエイドステーションにより走りに集中できたことなどから得られた充実感であることがわかっているからです。そして多分一人で走りに来てもこんなに楽しく走れることはないだろうなとも感じていると思います。

 

サイクリング(競技スポーツとしての自転車、モビリティとしての自転車ではなく趣味として)の楽しみ方は人それぞれで一人で走るのが好きな人がいれば、仲間と走ることが好きな人もいます。ただ一人で走るのが好きな人であっても、誰ともすれ違わないコースを淡々と走るよりも、サイクリングをしている人とすれ違うことで走る楽しさは倍増します。これは自分が楽しいと感じて走っているコースを、やはり楽しんで走っている人がいると自分の選択を肯定してもらえたような感情を持つからだと思われます。

しかし、一般的なサイクリングイベントの場合は、時間を区切って集団でスタートして同じルートを走るため、景色がいいところで立ち止まり写真を撮ると集団から離れてしまいますし、参加人数が多くないイベントでは前後に走っている人を見かけないボッチ走行の時間が出来たりします。一方、ワンデイラリーは受付したあとそれぞれスタートして思い思いのルートを走っていくため、前や後ろだけでなく、対向車線に自転車を楽しんでいる人がいるという空間の中でサイクリングをすることができます。

  

提案するサイクリングルートを知ってもらうためサイクリングイベントやサイクルスタンプラリーの開催を検討されると思いますが、イベントに比べて比較的開催するハードルが低いスタンプラリーの開催を選択されることもあるかと思います。この時、出来るだけ多くの人に参加してもらいたい気持ちから開催期間を長めに設定された場合、結果としてコースを走っている人数がばらけてしまいターゲットとする域外からわざわざスタンプラリーに参加した人は、結局自分達だけしか走っていない状態でその地域を走ってしまう可能性が高く、スタンプを獲得する楽しさはあっても、走る楽しさが倍増することはありません。また期間が長いスタンプラリーはスタンプ数の設定も多くなる傾向があり、域外の人にとってはコンプリートするハードルが高くなり逆効果となります。

 

憧れのサイクリングコースとなるには、域外のサイクリストからあそこを走ると楽しいよねという相対的な評価を得る必要がありますが、その評価と認知はコースを走ったときに、いろいろなサイクリストが様々な楽しみ方で走っている姿がいつも見られるようになって初めて獲得できます。
実際、サイクルツーリズムの定番地となったしまなみでは、揃いのジャージのトレインが走っていく傍らをレンタルしたママチャリで一区間くらい往復しているグループも普通にいますし、一人黙々と橋を渡っている人の姿もあります。

 

ワンディスタンプラリーの場合、スタンプポイントの設定の仕方にもよりますが、一般的なサイクリングイベントや期間限定スタンプラリーと比較してもサイクリスト同士のすれ違いが生まれて、あたかもみんなが走っている定番のサイクリングコースを走っているかのような雰囲気を体験してもらえます。

 

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現在の状況においては、スタート前やエイドだけでなく集団走行という密な状況を発生してしまうサイクリングイベントだけでなく、特定の日に参加者が集中するワンデイラリーの開催も難しいと思いますが、状況がよくなり楽しくいろいろなところを走れる日が来ることを祈っています。

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